掟破りの『夢十夜』

このマックス・クリンガーの版画を表紙に使いたかった。百合の花とタイトルを裏表紙にもっていかないと収まりがつかない。

真白な百合が鼻の先で骨に徹へる程匂った。そこへ遙の上から、はたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。
自分は首を前に出して、冷たい露の滴る、白い花瓣にに接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、
暁の星が一つ瞬いてゐた。
「百年はもう来ていたんだな」と此の時はじめて気が付いた。

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# by hontokami | 2017-04-29 14:46 | Comments(2)

空っぽな頭で

糸をかがる。
これは漱石の「夢十夜」 めずらしく活版印刷で届けられた。紙面の活字が印刷されているところを指先で撫でる。凹凸が伝わってくる。なつかしい感触。

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# by hontokami | 2017-04-29 11:32 | Comments(2)

雲の窯

森の中に「雲の窯」という中島敬子さんの窯があった。森の精霊たちに守られているようだった。
大型店舗の開発計画の中で窯も森もなくなった。
私たちはその森の一部を精霊たちと一緒に持ち帰った。森はこうして蘇ろうとしている。
精霊たちのささやきが聞こえてくる。「窯はちゃんと守っているぞ」

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# by hontokami | 2017-04-29 09:13 | Comments(0)

思い出すことといったら些細な事ばかり