掟破りの『夢十夜』

このマックス・クリンガーの版画を表紙に使いたかった。百合の花とタイトルを裏表紙にもっていかないと収まりがつかない。

真白な百合が鼻の先で骨に徹へる程匂った。そこへ遙の上から、はたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。
自分は首を前に出して、冷たい露の滴る、白い花瓣にに接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、
暁の星が一つ瞬いてゐた。
「百年はもう来ていたんだな」と此の時はじめて気が付いた。

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Commented by ゲキト at 2017-04-30 08:07 x
裏表紙にタイトルが来ているの、納得です。肖像との兼ね合いで
こうならざるをえないのだなあと同感しました。
それにしても美しい「本」です。デザイン的には(スミマセン。
こんな言い方合ってないかも)ぴったりいってるんではないかと
思いました。
今度触らせてください。見せてください。
Commented by hontokami at 2017-04-30 10:00
ぜひ手組み活版印刷の良さを手で触って実感してみてください。
あと3冊表紙の形を変えて作ってみたいと思っています。
瀬下さんは段ボールの表紙による『夢十夜』に挑戦しています。
by hontokami | 2017-04-29 14:46 | Comments(2)

思い出すことといったら些細な事ばかり