今日は「寿し徳」さんで『笑う漱石』

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今日12月9日は漱石忌。
O塾の松竹さんと余川さんが、午後2時から浜松笠井の寿し徳さんで「笑う漱石」というつどいを企画してくれた。
寿し職人・中村圭吾さんが漱石にちなんで拵えてくれた創作料理の数々を、
予約してくださった漱石ファンのみなさんで味わうという贅沢な一席。

ではなぜ「笑う漱石」なのか?
漱石は亡くなる18日前、大正5年11月21日、辰野隆と江川久子の結婚披露宴(築地の精養軒)に奥さんと出席した。
そこで余興に演じられた柳家小さんの「うどん屋」を聴いた。

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「……然し先生が一番好きだったのはなんと言っても、小さんだった。実際小さんの落語を聴いてゐる時の先生の顔つきは
、うれしさうだといふより外はない。実に明るい顔つきだった。
今でも覚えてゐるが、先生と一緒に牛込亭で小さんの『うどん屋』を聴いて帰って来ると、先生は書斎に這入って茶を飲みながら、
『おい、うどんや』と言っては饂飩屋をつかまへて酔っ拂ひが訳の分からぬ管を捲く、あの初めの所を繰り返しては、クックッと
笑ひ出した。それを先生は長い間やめないのである。仕舞ひには笑ひの止め度がなくなって、先生は顔を真っ赤にしてしまった。
(小宮豊隆「休息している漱石ー『漱石 寅彦 三重吉』所収)

「今戸焼の土鍋でもって七輪の尻をあおぎながら、夜の町を『なあーべやあーきうどーん』と流して歩くうどん屋。
婚礼の祝儀帰りの酔っ払いにつかまる。酔っ払いは『オイ、仕立屋の太兵衛、知ってるだろう?そこの一人娘の美い坊が今晩婿とって、
おらあ祝いに行ってきたんだ。美い坊が<おじさん、さてこのたびは、いろいろご心配いただきまして……』と両手をついて挨拶された時は
うれしくなっちゃって……』と何回も繰返し
『水一杯くれないか。この水、これ、いくらだ。只か、じゃあもう一杯くんねい。有難う、あばよ』
『もし、親方、エエどうです。うどんは』『おら、うどんは大嫌いだ』と行ってしまう。
(武藤貞夫『落語三百題』下に所収)
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だから「笑う漱石」
今夜は5代目小さんの「うどんや」でも聴こうかな、と思っている。

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by hontokami | 2018-12-08 10:45 | Comments(0)